放射線科研修プログラム
プログラム指導者 奥村 亮介、高木 雄久
1. プログラムの目的と特徴
本プログラムはスーパーロテーターが当科のローテートを選択した場合の研修内容の記載である。
放射線科は診断、治療、核医学の3部門を柱とし、それぞれがまた各臓器別に分かれるなど広範囲の領域にわたるため、種々の性格の異なる項目の研修を必要とする。
2. 指導体制
現在、北野病院放射線科には5名の放射線診断専門医と2名の放射線治療専門医が在籍しており、各々が核医学やインターベンショナルラジオロジーなどを含む専門領域をもっており、各分野において指導を受けられる体制となっている。
3. 具体的な到達目標
現在放射線科医が従事している業務別に列記する。
- CT、MR、RI、胸部単純写真の診断
いずれもモニター診断をしており、基本的な疾患の所見を学習し、読影力をつけることを目標とする。
● CT、MRでは各臓器、疾患における造影剤投与のタイミングや適切量を学び、MRでは最適の撮像法はどの組み合わせであるかについてもマスターする。
● RIでは各検査法に使用する放射性同位元素の種類と使用核種を理解し、適応、投与法について学ぶ。
● 胸部単純写真の診断では基本的疾患の所見の診断について学ぶ。
- 消化管造影検査の実施と診断
胃透視、注腸検査を専門医の指導のもとに実施し、基本的手技、適応、禁忌、診断について研修する。
- 血管造影(心臓、頭部を除く)の実施と診断
治療目的の血管造影がほとんどで、薬剤注入、動脈塞栓術などの治療的手技を中心に診断的手技についても研修し、基本的手技の取得を目指す。
- 放射線治療
放射線治療については、生物学的、物理学的基礎の理解、現在において腫瘍性疾患における放射線治療の占める役割についても理解し、実際の照射、治療計画について研修する。
定位放射線治療についても数多く実施しており、研修可能である。
4. 教育課程
- 研修医が参加する週間予定・教育活動
- (1) CT、MR、RI、胸部単純写真の診断 月〜土 毎日
- (2) 消化管造影検査、診断 月〜木 毎日
- (3) 血管造影 実施、診断 月水金土
- (4) 放射線治療と治療計画 月〜金 毎日
- (5) 定位放射線治療 火木
実際には、すべての業務に参加し一定レベルまでマスターするのは困難なため、希望に応じて協議し研修項目を選択することになる。
- 研修医が参加して有益と思われる活動
- (1) 呼吸器合同カンファレンス(治療も含む)
毎週月曜日 17時半〜18時半 参加者:呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科医師
- (2) 消化器センター症例検討カンファレンス、肝胆膵CPC
毎週木曜日 17時半〜 参加者:外科、内科、放射線科医師
- (3) 婦人科症例検討カンファレンス
毎週水曜日 17時〜18時 参加者:婦人科、放射線科医師
- (4) 婦人科・放射線科治療カンファレンス
第2,4水曜日 8時半〜9時 参加者:婦人科、放射線科医師
- (5) 耳鼻科・放射線科治療カンファレンス
毎週火曜日 17時半〜18時半 参加者:耳鼻科、放射線科医師
- (6) 乳腺カンファレンス
毎週水曜日 17時半~ 参加者:乳腺外科、放射線科医師
- (7) ラジオサージェリー症例検討会
毎週木曜日 15時〜15時半 参加者:脳外科、放射線科医師
5. 評価方法
各分野における技量、知識の到達度に加え、接遇態度、協調性なども加味し総合的に評価する。