250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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007このたび、公益財団法人田附興風会が創立100周年を迎えられること、心からお祝い申し上げます。私は子どもの頃に父(京都大学昭和24年卒)から北野病院の設立の経緯を聞き、京都大学医学部における北野病院の特別な位置づけを感じながら育ちました。しかし、残念なことに北野病院で臨床に従事する機会には恵まれませんでした。医学部卒業後11年を経て内科医としてのキャリアを止めて基礎研究者となり、北野病院と接する機会は一生ないかな? と思っておりました。しかし、2018年に医学研究科長に就任して北野病院を運営する公益財団法人田附興風会の理事長を仰せつかることになりました。全く想定していなかったのですが、その任期中に財団のあり方を検討することになりました。そして、理事長はそれまでの医学研究科長の兼務ではなく専任の理事長とし、病院長も理事長の兼任ではなく専任とし、原則として北野病院で臨床活動をしていた医師から選任する体制への移行を断行いたしました。北野病院が京都大学にとって特別な意味合いを持つことを考慮し、私の後任の理事長には4年間、京都大学医学部附属病院長を務められた稲垣暢也・前京都大学糖尿病・内分泌・栄養内科教授に、病院長には北野病院副院長であった秦大資小児科部長に就任していただきました。稲垣理事長は北野病院で初期臨床研修をされたので北野病院に深い愛着を持っておられ、財団、病院を非常に良い方向に導いてくださっていることは本当に嬉しい限りです。私は医師としては北野病院に貢献することは全くできませんでしたが、稲垣理事長、秦病院長のお陰で少しは貢献できたことを喜ばしく思っております。北野病院への愛情が深い稲垣理事長のもとで100周年記念事業を執り行われることは本当に喜ばしく思っており、今後も北野病院がさらなる発展を遂げることを祈念致しております。京都大学理事・副学長(田附興風会 医学研究所北野病院 第29代理事長)岩井 一宏北野病院の100周年を祝して

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