250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
79/260

2024(令和6)年1月1日、石川県能登半島地域で最大震度7の大地震が発生した。内陸型地震としては過去最大級で、輪島・珠洲などの奥能登地域は壊滅的被害を被った。半島特有の交通事情も災害支援の大きな足かせとなったが、一人でも多くの人を救うべく、各地から医療者が被災地へ駆けつけた。当院も全日本病院協会の出動要請を受け、医師・看護師・薬剤師・事務職員の4人からなるAMAT(全日本病院医療支援班)を派遣。1月10〜11日の2日間、石川県立輪島病院で支援活動を行った。また、当院も所属するVHJ機構(国内の有力民間病院が運営するNPO法人)加盟病院の支援要請に基づき、災害備蓄食品の搬送も実施した。2月28日、今度は日本医師会の要請を受けて、4人のJMAT(日本医師会災害医療チーム)が出動。3日間にわたり、被災地でさまざまな医療支援活動に従事した。そして4月30日、これら活動の参加メンバーによる「報告会」が開催された。災害支援の経験を全職員と共有し、今後に生かすためである。会場となったきたのホールには多くの職員が集まり、メンバーの声に耳を傾けた。なお、当院は2014(平成26)年から南海トラフ巨大地震を想定した大規模災害訓練を実施しているほか、自治体主催の訓練にも参加するなど、災害への備えに力を入れている。その一環として多くの災害備蓄食品を保有しているが、2024(令和6)年2月、備蓄食品の買い替えに伴い、648食分を一般社団法人「こどもの居場所サポートおおさか」に寄贈した。職員のアイデアで実現した地域貢献の新たな取り組みである。0772023(令和5)年初頭、当院は2025年11月の財団創立100周年に向けて「100周年記念委員会」を設置した。1925(大正14)年の財団創立から間もなく100年。戦争による被害も、戦後のさまざまな困難も、パンデミックの試練も乗り越えてきた当院は、1世紀の蓄積を礎に、次代へと歩み始める。ともに100年、これからも。ともに100年、これからも下部組織としては、①記念募金委員会 ②記念式典・祝賀会委員会 ③記念誌発行委員会 ④記念講演会委員会 ⑤北野病院alumni委員会 ⑥本館リノベーション事業委員会を設置した。2023年9月の本館リノベーション完了後は、⑥西館再開発委員会に改め、さらに⑦リブランディングプロジェクトを加えた7事業委員会で記念事業を推進している。このうち⑥西館再開発委員会では、新館移転でストックスペースとなった西館の跡地を活用し、健康・予防医学分野を中心とする新施設計画の検討を始めている。また、⑦リブランディングプロジェクトでは、トップインタビューや市民アンケート、職員によるワークショップなどを行い、北野ブランドの再構築に向けた議論を進めている。災害支援の経験を未来に活かす──能登半島被災地へ医療チームを派遣column

元のページ  ../index.html#79

このブックを見る