250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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和5)年1月、全職種参加型の「広報・ブランディングプロジェクト」を立ち上げ、100周年を機に北野ブランドを再構築するリブランディングの取り組みを開始した。同年4月には事務部内に広報課を新設し、活動のさらなる強化を図った。9月には、新制度のA水準(時間外労働が年960時間以内)を維持するため労務管理を徹底すべく、新たな勤怠システムを導入した。翌2024年1月にはフレックスタイム制も導入した。076北野メディカルビジネススクール営陣は中期経営計画の3年目を迎えるにあたり、重点テーマ「改善・広報・教育・ICT」を継続・深化させていくとの方針を明らかにした。「改善」の中でも特に重きを置いたのは、働き方改革である。2024年4月施行の新制度では、医師の労働時間短縮や、勤務間インターバル・連続勤務制限など労務管理の徹底が求められている。これに備えて、当院は2020年に「タスクシェア・シフト推進委員会(後の働き方改革推進委員会)」を設置し、医師の業務の一部を他職種に移管する方策を検討してきた。具体的には、医師の包括的指示に基づき特定の診療補助行為を行う「特定看護師」の養成(2020年度1人→2022年度6人)、診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士へのタスクシフト、非効率な業務の見直し(タスクリダクション)などである。こうした経緯を経て、2023年度は新制度への移行準備が着々と進められた。まず同年4月、第1・3・5土曜を休診とし、完全週休2日制へ移行した(2017年より第2・4土曜休診)。また医師以外の職種についても、ワークライフバランスに配慮した人事制度、病院保育事業の充実、育児・介護支援、ハラスメント防止など、働きやすい職場環境の整備を着々と推進した。北野ブランドを発信する「広報」は中期経営計画で初めて重点化された項目である。その背景には、近隣病院との競争激化が予想される中、当院の特色や魅力を活かしたブランディングや、情報発信強化による知名度・満足度向上が必須との認識があった。また職員のロイヤリティを高め、定着率やモチベーション向上を図る目的もあった。このような課題意識に基づき、当院は2023(令各種ツールを駆使した取り組みも次々と実施した。具体的には、患者向け広報誌リニューアル(2021年『きたの広報』、2024年『kitanoto:(きたのと)』)、医療機関向け広報誌『KITANO』の創刊(2021年)といった紙媒体に加え、YouTube動画配信(2021年〜)、Twitter(現X。2020年公式アカウント開設)、LINE(2021年開設)などSNSでの情報発信にも力を入れた。職員向け『きたの広報ニュース』の配信も開始した(2023年)。コロナ禍で外出自粛や3密回避が要請された際には、対面形式のイベントは軒並み中止を余儀なくされたが、市民医療講座、がん患者サロンなどはオンラインを活用して継続した。コロナの5類移行後は、2023年6月の市民向け講演会「みんなの医療セミナー」をはじめ、対面イベントを順次再開。お仕事体験イベント「北野メディカルワンダーランド」や大規模災害訓練も4年ぶりに開催された。また、大阪市北区民が集うお祭りイベント「北区民カーニバル」への出展、大阪市内中学校の「職業出前授業」への講師派遣など、地域との交流も復活した。

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