250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
76/260

① 質の高い医療サービスの提供による患者と074北野健康クラブ懇談会され、久しぶりのにぎやかなひとときとなった。「北野ビジョン2021」を掲げてコロナ禍の影響、他病院の近隣移転など、経営環境を左右する外部要因が山積する中で、将来にわたって持続的・安定的な病院運営を実現するための計画と位置づけ、地域に選ばれる病院づくり通じた北野ブランドの醸成をビジョンの3本柱に掲げた。重点テーマには「改善・広報(ブランディング)・教育・ICT」を据えた。このうち「改善」の取り組みとしては、まず2021年4月、「北野健康クラブ」のサービス拡充から着手した。同クラブは、主に富裕層を対象とする会員制組2021(令和3)年3月、当院は中期経営計画の改定を行い、財団創立100周年を迎える2025年度までの新計画「北野ビジョン2021─持続可能な質の高い医療サービスの実現に向けた次世代への改革」を発表した。② 職員教育によるKitano Qualityの向上③ 革新的な医学研究の推進と社会還元を 織として2005(平成17)年に発足した。会員専用の人間ドック、診療の優先予約、講演会や懇親会への招待など、ワンランク上のサービス提供で「北野ファン」を獲得しようというもので、その狙いどおり、初年度だけで230人の会員登録があった。2021年、これまで一部外部委託していた同クラブの運営体制を見直し、すべてのサービスを当院直営に切り替えた。さらにニーズに合わせて選択できる3プランを設定するなど、サービスもグレードアップした。2023年6月にはコロナ禍以来3年ぶりの懇親会が開催され、当院幹部や医師との交流を深めた。キャリア形成を支援する「教育」については、「医療提供体制の維持・高度化を図るため、教育研修など人材育成への取り組みを充実させる」との方針を掲げ、医師、看護師、コメディカルスタッフなど、さまざまな職種のキャリア形成を支援する施策を実施した。例えば2021(令和3)年には、新卒10年目までの若手事務職員を対象とする「北野メディカルビジネススクール」を開講。医療関連の財務・人事・調達知識を網羅的に学ぶ場を提供した。同じく2021年、航空会社ANAグループと連携した人材育成プロジェクトをスタート。その一環として、客室乗務員などを講師に招いた「接遇研修」を継続的に実施している。また、新卒看護職員の離職率低減が大きな課題となっている看護部では、5段階の人材育成プログラム「北野キャリア開発ラダー」を設定。スキルレベルに応じたきめ細かい教育と支援を実践している。「ICT」については、電子カルテの更新(2020〜2021年)、病床の稼働状況や外来患者数を可視化できるKPIダッシュボードの構築(2021年)、タブレット問診システムの導入(2022年)など、業務改善を後押しするシステムの整備が順次進められた。また、診療費あと払いサービス、処方箋送信システム、診療待ちお知らせLINEの導入など、患者の患者と地域に選ばれる病院へ

元のページ  ../index.html#76

このブックを見る