062大規模災害対応訓練年)、全病棟への薬剤師の常駐配置(2013年)などを順次実施した。2017年、当院は品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」の認証を受けた。病院機能評価の認定期間終了に伴い、社会に浸透した規格であること、職員の日々の努力が反映されやすいことなどからISO認証に切り替えたものである。2019(令和元)年には医療安全、感染制御、改善活動を統括する組織として、医療の質管理本部を新設した。また、当院臨床検査部は同年、臨床検査室の品質マネジメントシステム「ISO15189」の認証を取得した。2019(令和元)年、当院は小西医療機器株式会社、帝人株式会社と共同で、SPDシステム(Supply Processing & Distribution=院内物流管理システム)を取り入れた。ICタグを活用し、医療材料の在庫確認や発注作業を一括管理するシステムで、日本初の導入となった。情報共有やコミュニケーションのためのグループウェア(1998年)をはじめ、給食システム(1998年)、看護支援システム(2006年)、地域医療連携システム(2008年)などの導入も進み、随時更新された。2010年には電子カルテシステムが導入され、診療記録が紙カルテから電子カルテに置き換わった。これらシステム化の進展は、医療安全や情報共有に効果を発揮する一方で、データ入力や操作に時間を取られ、かえって医師の負担が増えているという指摘もあった。こうした課題を解決するため、当院では2012年、PC操作や医療システムに精通した「スペシャルメディカルクラーク」の採用・養成を開始。電子カルテの代行入力、診断書・紹介状の作成など、医師の事務作業をサポートする体制を整えた。また、2015年には医療情報部内にデータ管理センターを開設し、データベース構築、システム間の連携などに着手した。IT化で改革を下支え病診連携の強化、患者サービスの向上、医療の安全と質の確保。こうした諸々の取り組みを下支えしたのは、1990年代頃から普及・進展したIT(Information Technology)である。当院も1993(平成5)年の医事システム用中型ホスト機をはじめ、薬袋印字システム、検査システム(1997年)などの導入を進めた。「IT革命」が流行語となった2000年前後、当院のシステム化も新段階に入った。まずは1998年、医療情報システムの代表例とされるオーダリングシステムを初導入。入院患者の処方・検査・食事がデータ管理されるようになった。2001年の新病院竣工時には、外来患者も対象とするトータルオーダリングシステムに拡充された。
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