健康管理センター大規模災害対応訓練0612001(平成13)年に当院が初めて策定した中期経営計画では「医療の質をベースとしたクライアント志向経営の推進が必要」と強調している。消費者意識が高まり、医療分野の規制緩和も進む中「クライアントが病院を選ぶ時代」のニーズに応え、利用者本位のサービスや快適な環境を提供していかねばならない、というのである。れていた健康管理センターを本館14階に集約移転。利用者は明るくゆったりとしたスペースで健診を受けられるようになった。人間ドック受診者にはホテルニューオータニ大阪からの食事を提供するなど、ワンランク上のサービスも好評を博した。医療の安全と質を高める地震直後に起こった東京電力福島第一原子力発電所事故の影響もあり、東日本では広範囲・長期間の停電や計画停電が発生し、社会経済活動に大きな影響を及ぼした。これを機に、多くの企業や公共施設がBCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)の重要性を再認識した。当院は40万人近い昼間人口を擁する大阪市北区に立地し、南海トラフなどの巨大地震発生時には、極めて困難な医療活動を求められることが想定される。こうした事態に備えるため、2014年に第1回大規模災害対応訓練を実施。その後徐々に規模を拡大し、2016年には警察、消防、区役所、医師会、薬剤師会、看護学校学生、一般住民など、総勢400人以上が参加する地域合同訓練となった。一方、平時からの医療安全や、医療の質向上に関する施策としては、医療安全管理室の新設(20062011(平成23)年3月11日、東日本大震災が発生した。超巨大地震と大津波の襲来による死者・行方不明者は1万8,000人以上に及び、1995年1月の阪神・淡路大震災を上回る戦後最悪の災害となった。クライアント志向経営へこのような認識に基づき、患者の利便性・快適性向上につながる施設や仕組みが次々と導入された。持参薬管理センター(2006年設置)、診察予約枠細分化による待ち時間短縮(2007年)、検査・入院説明コーナー(2009年設置)、禁煙タクシー(2009年導入)、地下売店リニューアル(2011年)、5階レストラン・14階特別病棟リニューアル(2013年)、入院支援センター(2017年開設、2019年より入退院サポートステーション)、外国人患者への医療通訳サービス拡大(2019年)などである。また、これらの告知や医療情報・イベント情報を満載した患者向け広報誌『きたの通信』を創刊(2001年)したほか、ホームページやお知らせディスプレイ(2009年設置)などでの情報発信も開始ししている。2016年には北野病院公式Facebookアカウントも開設された。新病院竣工時から力を入れてきた「健診」も、顧客満足向上の重要なツールと位置づけ、一層の充実を図った。2013年、本館1階と第2健診棟に分か
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