250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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章Kitano Qualityの確立(2001〜2019)052建設中の本館完成後の本館2001(平成13)年は21世紀の初年であると同時に、ミレニアム(千年紀)の始まりでもある。このような年に、当院もまた記念すべき大きな節目を迎えた。新病院棟の完成・移転である。そんな積年の懸案に解決策が示されたのは1990年代。いわゆるドーナツ化現象による児童生徒の減少を受け、大阪市が市立小中学校の統合を進めたことがきっかけだった。当院の北隣にあった大阪市立扇町中学校もその対象で、他校と統合して大阪市立天満中学校となり、1997(平成9)年に北区神山町へ移転した。この大阪市立扇町中学校跡地が当院の新病院建て替え用地として提供される案が浮上し、大阪市との間で土地交換の合意が成立した。新病院棟移転後、旧本館跡地には大阪市立扇町小学校が建設されることになった(2004年開校)。73年後のリニューアルこうして長年待ち望んだ新病院棟建設が、つい土地交換で建て替えへ当院設立以来、数々の歴史を重ねてきた旧本館は、1928(昭和3)年築。戦災被害やGHQによる接収を乗り越え、再開後は増築や設備更新を繰り返してきたものの、竣工から半世紀以上を経て、老朽化が深刻な問題となっていた。この間、建物を全面改築する案、診療を続けながら一部を建て直す案などが度々検討されたが、用地や資金の確保がネックとなり、実現には至っていなかった。後に「失われた30年」とも呼ばれる多難な環境下で迎えた新世紀。病院経営も厳しさを増す中、当院は新病院棟建設を皮切りに、診療体制の再構築、地域連携の強化、患者サービスの向上、ITの導入など、勝ち残りを懸けた改革を着々と進めていった。新病院棟の完成55第

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