0021925年11月4日、大阪の実業家・田附政次郎氏より京都帝国大学(現・京都大学)医学部へ提供いただいたご寄付をもとに財団法人田附興風会が創立され、医学研究所および同附属病院が設立。以来、当財団法人は創立時の理念に則り、京都大学との強固な連携のもと、臨床力と研究心に富んだ多くの医療人材が活躍してきました。また、常に最新の医療設備を整え、質の高い診療と臨床研究を通じて、地域の皆さまに最善の医療を提供してまいりました。1966年、戦後の再開院から15周年を記念して刊行された『北野病院史』の中で、京都大学総長を務められた平沢興先生が「北野病院の特色は“人の和”にある」と述べられています。この“人の和”とは、職員のみならず、患者さんをはじめ、地域の医療をともに支えてくださる先生方など、地域の皆さまとの深い信頼と連帯を指すものです。まさに、この“和”の力こそが、これまでの北野病院の発展を支えてきたものと確信しております。100年という記念すべき節目にあたり、私たち職員はこれまでの歩みに感謝し、これからの未このたび、当財団法人は創立100周年を迎えるにあたり「100年史」を発刊する運びとなりました。今日までの100年の歩みは決して平坦な道のりではなく、戦中には甚大なる戦災被害を受け、1945年の大空襲によって閉院。戦後も進駐軍により病院施設が接収され一時的に閉鎖を余儀なくされるなど、苦難や困難の連続でした。しかしながら、その都度たゆまぬ努力と地域の皆さまの支えにより、北野病院は日本有数の大病院へと発展することができました。来を見据えたキーフレーズとして「ともに100年、これからも」を掲げました。これまでの100年を支えていただき、ともに歩んでくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げますとともに、次の100年に向けて、医学研究と最善の医療、そして“人の和”を礎とした病院づくりに一層努めてまいります。今後とも変わらぬご支援とご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院理事長 稲垣 暢也病院長 秦 大資発刊のごあいさつ
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