250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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028湊: 世の中には京大病院と北野病院を一体的に捉えている方も結構多くいらっしゃいます。でもそれは、北野病院にとってもアドバンテージであると思います。京大という大きなインスティテューション(公共機関)と常につながっているというのはブランディングを高めることもできるし、今後研究面での連携がさらに進めば、かつて田附政次郎さんが夢見られたような「最先端の臨床研究の場」が現代版として実現するでしょう。これは病院運営にもプラスになるはずです。岩井: 「やっぱり他の病院とは違う」「難しい病気は北野病院じゃないとダメだ」など、そういうレピュテーション(評判・名声)にもつながりますよね。湊: そうなると、先ほど岩井先生からもお話があったように、京大の一番の俊英が北野病院に出向して、臨床の現場で経験を積みながら研究マインドも持ち続けていくというパターンが持続的に育っていけば、お互いにとってWin-Winになると思いますね。岩井: ただ、現役の教授たちの中には、京大と北野病院との関係性や連携の必要性をあまり意識していない人も増えています。湊: そういうトラディショナルなマインドというものは、一旦空白が生じると消えてしまいかねないので、連綿と語り継いでいかないといけない。私自身、本庶佑先生(第20・22代理事長)から再三伺ってきましたし、私も岩井先生に話してきました。今後も同じように、内に向けても外に対しても意識的に伝えていく必要があります。岩井: その意味では、100周年というのは京大と北野病院がお互いの関係を再構築する良いチャンスですよね。このタイミングで京大内部のことをよくご存じの稲垣先生が専任100周年を関係再構築のチャンスに創立以来のマインドを連綿と語り継ぐ

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