250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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027阪に医学研究の場を」という先人たちの熱意により誕生した病院なので、そのマインドはぜひとも残してほしいし、京大との共同研究にも積極的に取り組んでほしいと願っています。私が理事長を務めた頃(2010〜2011年)も、ちょうど探索医療に取り組み始めた時期だったので、「京大と北野病院の臨床データを持ち寄って何かできないか」と、当時病院長だった藤井信吾先生と随分議論した記憶があります。山岡: 私が京大にいた時は北野病院の臨床教授だった高林有道先生に研究室のミーティングに来てもらって、北野病院での臨床経験を大学にフィードバックしてもらったり、連携大学院の教授をしていただいたり、非常に関係が緊密になりましたよ。稲垣: 今は副院長の寺嶋宏明先生が連携大学院の准教授をしています。その関係から、北野病院で研究して学位を取った人もいますね。湊: そういう事例をもっと増やしたいですよね。稲垣: 先ほど話に出た髙橋医師の「歯生え薬」などは、共同研究の好例になるかもしれませんね。第Ⅰ相試験は京大病院でやって、それ以降は連携しながら進めることになっています。第Ⅰ相を北野病院単独でやるのはなかなか難しいので、京大にできることはお願いして、スケールメリットを生かせればと。湊: そうですね、それは京大のさらなる発展にもつながると思うんです。正直に言って、京大の臨床研究は停滞気味なところもあるので、北野病院に「もっと一緒にこんなことをやっていこう」とドライブをかけていただきたい。お互いに刺激し合うことで、動きが加速すればと思っています。残念ながら、今は京大でも北野病院でも働き方改革などに追われ、内へ内へと目が向き過ぎている気もします。こういう時こそ、人材を含めた共通のリソースを活用して、上手く連携していくべきだと思います。

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