026う気はしています。山岡: 誕生から看取りまで、さらにはグリーフケアまでということになると、強いつながりができますよね。それは良いと思います。稲垣: 人間ドックの拡大やホスピスの開始について、湊先生はどう思われますか?湊: 健診診断にしろ緩和ケアにしろ、これまでどおりのやり方では難しいでしょうね。重要なのは、新しい発想で「北野病院ならではの何か」を付加できるかどうかではないでしょうか?稲垣: おっしゃるとおりだと思います。例えば人間ドックなら、「この検査は北野病院でしかできない」というようなものが必要ですよね。湊: はい。他にも、マイクロRNAのリキッドバイオプシー※などもそうですね。こういう最先端の検査は、しっかりとした基盤を※血液などの体液サンプルを用いた病理診断技術。特にマイクロRNAを対象とするリキッドバイオプシーは、がんの超早期検出に役立つと期待されている持つ医療機関で実施しないと信憑性が高まらないし、かといって大学病院ではやりにくい。その点、北野病院なら信頼性もあるし、良いアピールにもなるんじゃないでしょうか。稲垣: 貴重なご意見をありがとうございます。大変参考になります。山岡: 冒頭でも紹介しましたが、北野病院は京都帝大が設立に深く関わった臨床研究用病院です。湊先生や岩井先生からも「京大にとって北野病院は特別な存在」というお話がありました。そういう歴史を持つ北野病院に対して、京都大学としては今後どのような役割、関係性を期待していらっしゃいますか?湊: 若干繰り返しになりますが、北野病院は「大共通リソースを活用して研究を推進脱・内向き志向へ、ドライブをかける
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