250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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021稲垣: もうひとつ、他にはない北野病院の特長と評価されているのは、冒頭でも話題になった医学研究所を併設した病院だということです。実際にどれだけの研究ができているかというと、まだまだ忸■■怩■たる思いもありますが、研究マインドの高い医師がたくさん在籍していますので、そういった環境で切磋琢磨できるというのはやはり大きな魅力ではないかと思います。秦: 基礎研究では大学に及びませんが、臨床研究の分野では北野病院独自のアドバンテージも結構あるんじゃないかと思います。例えば、今日まで蓄積してきた臨床データ。他の病院では廃棄されているような古いカルテもPDFファイルにして全部データとして残していますし、10年、20年前のCTやMRI画像も残っているので、それらを岩井: たしかに、臨床サンプルを活用した研究は増えています。特に髙橋先生の場合、北野病院に行かれたことが大きく幸いしましたね。本当に良かったと思います。あと、先ほどの山岡先生の改革の話にも通じますが、北野病院は機動性の高さも魅力ですね。国立の場合、どうしても政府調達が多いので、新しい研究を始めるのにも時間がかかりますが、北野病院では提案を受けて、すぐ図面を引いて、設備を整えて……。そういう機動性はこれからも大事にしてほしいと思います。山岡: 研究所といえば、若手研究者を育成する「北AIに学習させたり、研究資料に使ったり、さまざまに活用できます。実際、最近話題の「歯生え薬」の研究に取り組んでいる歯科口腔外科の髙橋克医師も、北野病院に来てから過去のデータの存在を知り、研究に役立てました。病院としても随分貢献できたと喜んでいます。膨大な臨床データを研究に生かす大注目の「歯生え薬」開発にも貢献

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