218台の上に我々はどういう北野病院を築いていくのか、北野病院の価値とは何かについて考え直す契機でもあると思っています。 北野病院は毎年多くの患者さんから多額のご寄付をいただいていますし、他病院の方々から「北野病院はブランド力があるからいいですね」などとうらやまれることもあります。どちらも本当にありがたい話ですが、こうした評判はもちろん一朝一夕にできるものではありません。まさに先人たちが積み重ねてきた努力の結果として形作られたのが、現在の「北野ブランド」だと思います。 100周年を機に、その価値をもう一度見つめ直し、変えるべき点や守り続ける点を明確にしようというのがリブランディングプロジェクトの趣旨です。地域の皆さんへのアンケートや、委員会でのディスカッションなどを繰り返した結果、「地域への貢献」「最先端医療の提供」「医療人材力」「永続的な信頼」「使命感・ホスピタリティ」という5つの提供価値(コアバリュー)が浮かび上がってきました。 「最先端医療」や「医療人材力」については、やはり京大との関係に負うところが大きく、北野病院の発展の原動力でもあります。京大が先へ先へと進化していってくれることが大前提ですが、北野病院にとって京大との緊密な関係は、今後も必須だと思います。 ただ、単に素晴らしい人材を揃えて、最先端の医療を提供していれば良いというわけではありません。やっぱりもうひとつの側面として「いかに患者さんに愛されるか」という視点が非常に重要で、それが何かといえば、結局は「信頼」だと私は思います。地域の皆さんの期待、患者さんの信頼を決して裏切らない。そうした努力をたゆまず継続していくことで、新たな北野ブランドも盤石にしていけるのではないでしょうか。─100周年を機に「北野ブランド」を再構築するリブランディングプロジェクトも進んでいますね。─5つの提供価値について、それぞれもう少し具体的にお聞かせください。
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