211その救急室に隣接するCT室の壁に扉を設け、救急室からCT室に直接行き来できるようにしていただいたことです。救急医療では1分1秒を急ぎますので。福井 救急車の受け入れ件数もものすごく増えてますからね。2023年は1万2,000件以上です。本館竣工から20年以上経って、医療ニーズもどんどん変わってきているので、それに合わせて中身も作り変えていかないといけない。ここ数年はずっとどこかで工事をしている感じです。叶迫 元々新館は、救急病棟やデイサージャリー室、化学療法センターなどが入る計画でスタートしました。ただ、本館と新館を空中廊下でつなごうとしたんですが、いろんな制約があって頓挫しまして……。福井 「病棟を設けた場合に給食の配膳をどうするか」「救急患者をICUに搬送する必要が生じた時に地下通路を通れるのか」など、いろいろと検討するうち、「やはりこれは難しい」ということになったんでしたよね?叶迫 はい。それで計画を練り直し、リニアックなど厚い遮蔽壁が必要な施設だけ設置して、3階以上には医局や管理部門が入ることになりました。職員も以前の1.5倍くらいに増え、どの部署も手狭になっていたので、執務スペースを新館のほうに押し出すことで、本館の診療スペースを拡充する方針に切り替えたんです。福井 最上階には研究所が入りましたね。当時は西館にあったので、引っ越しをする時は「日夜進んでいる研究を止められない」など課題も多かったのですが、結果的には一番いい形に収まったと思います。──本館リノベーション工事に先立って、2020(令和2)年に現在の新館が竣工しました。
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