199 私は2008(平成20)年に着任した頃からずっと、「ビジョンが必要」と言い続けてきました。「職員が『北野病院ってどんな病院?』と聞かれた時に答えられるようにしないといけない」と。それがようやく実現できるようになったので、言い出しっぺの一人としてプロジェクトのリーダーを務めさせていただきました。ても「職員教育が強みです」とは言いますが、その根幹にあるものをきちんと伝えられてきたのだろうか…という反省も踏まえ、考えるきっかけにしたいと思いました。寺嶋 今は財団創立100周年記念事業の一つという位置づけになってますが、元々は100周年とは関係なくプロジェクトが始まりました。2022(令和4)年秋に稲垣理事長・秦病院長体制が始動した際、「北野病院としてのビジョンをまとめ、内に向けても外に対しても発信していくことが大事」という話になり、外部のコンサルタントにも入ってもらって計画的にやっていこうということで、2023年1月に自薦・他薦のプロジェクトメンバーが決まりました。木戸 私は北野病院一筋42年。これだけ長い間お世話になってきたので、「自分が参加しなければ」という意識はありました。それと、これまで“地域に愛される病院”を目標にしてきたつもりですが、本当のところ、地域の方々にはどう思われているのかが気になっていました。また、看護学生に対し本田 一時期、事務部門のスタッフが大量退職したことがあって、「もしかすると病院のビジョンが明確でないことが離職率の高さに関係しているのでは」という疑問を持ちました。そんな時、今回のプロジェクトにお誘いいただいて、皆さんと議論する中で、同じように思っている人が他にもいると実感する日々でした。 西 私は今年で入職から4年目ですが、入職前から「北野ブランド」というものに興味を持っていました。私の進学先や就職先に何の反応も示さなかった父親も、北野病院に行くと言ったら大変喜んでくれまして(笑)。この知名度、ブランド力の正体を見極めたい気持ちがあったので、リブランディングのプロセスに携われるのは非常にありがたい機会だと思いました。木戸 普段から職種を問わずに話せる雰囲気はあると思います。他の病院の人の話を聞いても、「うちはそういう隔たりはないな」と感じることもよくあります。「北野病院ってどんな病院?」答えを求め、リブランディングに向けた議論が始まった──まず今回のリブランディングが始まった経緯や、プロジェクト参加の動機を教えてください。タテ割り、敷居が高い、北野さん……ステークホルダーのブランドイメージを知る──プロジェクトには、医師から事務職までさまざまなメンバーがいますが、職種の壁のようなものはありませんでしたか。
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