018ラいところに行ったなぁ」と言われるし、優秀な看護師さんも次々と辞めてしまうし、「このままやったらどないしよ……」と不安になっていた矢先、山岡先生が病院長に就任されて。節約、節約と言われるのかと思いきや、まるで織田信長みたいに(笑)、“攻めの改革”を進められましたね。 山岡: 当時は院内に萎縮ムードが蔓延していたので、とにかくマインドを変えたくて、前例主義を見直して提案があればどんどん採用しました。定員制も止めたから、秦先生の小児科は医師が3倍くらいに増えましたし、NICUだってものすごく充実しましたよね。「伸ばすところは伸ばす、切るところは切る」が基本方針でしたから、随分恨みも買いましたけどね(笑)。秦: 山岡先生は職員にフィッシュ哲学(米国西海岸の魚市場で生まれた組織活性化のマネジメント手法)の本を配ってくださいましたよね。皆の気持ちを前向きにさせる内容で、非常に勇気づけられたのをよく覚えています。山岡: 新病院が完成した2000年代以降、北野病院はセンター化とか、集学的がん治療といった高度先進医療の充実に力を注ぎましたが、一方で救急医療も非常に重視するようになりましたね。秦: 私は地方の中核病院勤務が長かったですし、もともと小児科は何でも診るのが当たり前なので、北野病院に来た時「専門性は高いけれど救急は少し弱い」という印象を持ちました。そこで、まずは小児科から「断らない医療」を実践し、副院長就任後は成人領域にも広げていきました。当初は救急医療に力を入れることに多少の異論もありましたが、今では全科の協力体制が整い、毎月約1,000件、年間1万件以上もの救急搬小児科から全科へ「断らない医療」を拡充高度医療と救急の両立が北野病院の魅力
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