016 1951年生まれ。医学博士。専門は免疫学。1975年京都大医学部卒業。米国アルバートアインシュタイン医科大学、自治医科大学などを経て、1992年京都大学医学部教授。以後、同大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター長、医学研究科長・医学部長、理事・副学長、プロボストなどを歴任し、2020年より現職。ノーベル生理学・医学賞受賞の本庶佑博士とともに、がん免疫療法の開発に貢献。いたんですよね。それほどの全面支援を受けていたとは、今回の歴史資料を読むまで知りませんでした。岩井: 京都帝大の時代、医学部は西日本各地で病院開設をお手伝いしたんですね。倉敷中央病院(岡山県)とか小倉記念病院(福岡県)とか、他にもいくつかあるようですが、北野病院ほど力を入れた例は見当たらない。それはもちろん地理的な近さもあるでしょうが、やっぱり私も「北野病院は特別」という京大の総意が明確で、運営にも積極的に関与してきたことが大きな要因だと思います。それと、私も歴史資料を読ませてもらって驚いたんですが、田附家はGHQの接収が終わって再開院する際にも資金援助されているんですね。そういう意味では財団創立者の意志もずっと引き継がれていて、今も理事を務めていらっしゃる。これもすごく重要な点だと思います。湊 長博みなと ながひろ:京都大学総長/北野病院 第26代理事長
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