157※腫瘍放射線科はP133、放射線診断科はP153に掲載。呼吸器内科では、気管支鏡検査で肺がん、間質性肺疾患、呼吸器感染症の診断や、気胸や気道異物の治療を行っています。2023年度は気管支鏡検査 335件を行っており、内訳は以下の通りです。TBB/TBLB 171件(内EBUS-GS下生検 82件)、擦過細胞診 165件、気管支洗浄 166件、EBUS-TBNA 25件、BAL 94件、クライオ生検 6件、気管支充填術 2件など。近年は従来の経気管支肺生検(TBLB)より診断率の高いクライオ生検によるびまん性肺疾患の診断にも積極的に取り組んでいます。脳神経外科は低侵襲治療センターの第3カテーテル室を使用して血管撮影検査と脳血管内治療を行っています。血管撮影装置は脳卒中の予防・診断・治療において必須の機器となっており第3カテーテル室はPHILIPS社の最新機種であるAZURION 7が導入されています。急性期脳梗塞に対する血栓回収療法は2016年までは限定的な適応で試みられる治療でしたが、現在はガイドラインの適応を満たせば行うべき治療(推奨gradeA)に変化しました。北野病院は日本脳卒中学会から一次脳卒中センターコア施設の認定を受け、多職種と協力し常時これらの治療を行える診療体制を確立しています。2024年時点で脳神経血管内治療専門医4人、指導医1人の5人体制で予定・緊急治療に対応しています。2020年以降、検査件数は年間約180件、くも膜下出血や未破裂脳動脈瘤、急性期脳梗塞に対する治療件数は約90件前後で推移しています。これらの治療技術は、脳卒中以外の分野においても侵襲的な手術適応を置き換えつつあり、高齢者に多い慢性硬膜下血腫に対する血管塞栓術が手術成績に匹敵する可能性などが報告され、今後も対象疾患を拡大していくことが予想されます。また、新棟1階のFUS-MRI室では、Exablate Neuro(Insightec社)を導入し、2021年3月に経頭蓋集束超音波治療を開始しました。本治療は「切らない手術」として、本態性振戦やパーキンソン病の幅広い年齢層の方々に受け入れられている新しい治療法です。2024年10月に200例目の治療に到達しましたが、低侵襲センター、脳神経内科、放射線科、リハビリテーションセンター、病棟、外来、広報をはじめ関連部署の皆様には、日々尽力いただいております。本治療機器の導入は、新棟の建設計画も終盤に差し掛かる中、岩崎孝一脳神経外科前部長の申請により、■村長久先生をはじめとする執行部の皆様に決定していただきました。御支援をいただきました京都大学脳神経外科の宮本享教授、脳神経内科の高橋良輔教授には、深く感謝申し上げます。呼吸器内科脳神経外科
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