156腫瘍放射線科、放射線診断科、腎臓内科、小児科、整形外科、産婦人科など内視鏡だけではなく、透視を用いた処置を行う全診療科が利用しております。患者さんの安全を最優先し、診療科を超えてベストの治療を提供するのをモットーとして頑張っていきたいと思います。北野病院での胃カメラは1960年より北病舎3階の看護師控え室を改装して麻田先生が始められ、1963年に福田稔先生が胃カメラと腹腔鏡を担当されました。その後胃カメラ室は旧新館地下1階、続いて図書室を改装して旧本館2階へと移動となりました。一方、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)は旧本館1階の透視室で現在は淀川区で開業されている磯貝興久先生が始められ、その当時は大腸カメラも透視室で行われておりました。2001年に現本館移築に伴い地下1階に内視鏡室4部屋と透視室3部屋の内視鏡センターとなりました。2018年にアンギオ室と内視鏡センターが統合され低侵襲センターとして発足(アンギオ、消化管透視、神経根ブロック、消化器および気管支内視鏡、肝臓の生検およびRFAなど)し、低侵襲センター長を八隅が兼任しております。そして、新館増設に伴いRIセンターが移転した場所に、内視鏡室5部屋、透視室3部屋、アンギオ室3部屋、回復室、カンファレンス室、看護師控え室の低侵襲センターとして現在に至ります。2023年度の消化器内視鏡件数は1万4,000件で内訳としてESD211件(咽頭6、食道25、胃98、大腸82)、胆膵内視鏡、1,291件(EUS582、ERCP545、DB-ERCP14、EUS-FNA115、EUS-BD14、EUS-CD21)、肝臓の生検26件、RFA10件、TACE35件となっています。今後もより安全な内視鏡および肝臓の治療を提供してまいります。北野病院での心臓カテーテル検査(冠動脈造影)は1981年6月23日に石村孝夫先生(現・石村内科・循環器科院長)によって開始されました。関西の病院の中でいち早く開始され、国立循環器病センターからの見学を受け入れていたと聞きます。1994年6月8日に不藤哲郎先生(現・不藤医院院長)によりPCI(経皮的冠動脈形成術)が開始されてからは、常に緊急カテーテル治療が可能な体制を維持しています。2018年から山地雄平副部長がアンギオ室長に着任し、ロータブレータ、ダイアモンドバック、DCA(一方向性冠動脈アテレクトミー)、IVL(血管内石灰化破砕術)、ELCA(エキシマレーザー冠動脈形成術)等の新しいデバイスを活用してPCIを実施しています。また、心臓センター専用のアンギオ室が2室となり、検査および治療の件数が増加し、ハイレベルな治療が可能となっています。(2023年実績;カテーテル検査:年間967件、PCI:年間307件) 補助循環装置に関しては、IABP(大動脈内バルンパンピング)に加えて2001年にPCPS(経皮的心肺補助装置)を導入し、2022年からImpellaを導入しています。高度かつ安全なPCIに寄与するとともに、重症心不全の治療にも大きく貢献しています。不整脈治療であるアブレーションは、北野病院では、2001年3月、房室結節性リエントリー性頻拍に対して初めて施行されました。その後、心房細動と心室頻拍に対するアブレーションは、その施行に不可欠な三次元心臓マッピングシステム、カルトXPが購入され、滋賀成人病センターから再着任した春名徹也により、2008年に再開しました。不整脈治療のもう一つの軸である心臓デバイス手術は、ペースメーカーに加え、2007年の当院心臓外科開設後、植込型心臓除細動器、心臓再同期療法の施設認定を受け、2008年から開始されています。アブレーションは、群馬県立心臓血管センター内藤滋人先生、筑波大学野上昭彦先生を招聘し、定期的な技術指導を受けています。2016年に、船迫宴福がマーシャル静脈へのケミカルアブレーションを関西では早期に導入し、2023年には、難解不整脈回路特定に特化したリズミアを導入しました。群馬県立心臓血管センターで修練した木村光輝が主となって、難治性の心房粗動や心室頻拍にも取り組み、著しく成績が改善して累積アブレーション件数は2,000例に達しました。2024年、他院に依頼せざるを得なかったデバイス感染やリード不全への経皮的リード抜去術を開始し、不整脈科で不整脈領域全ての手術が施行可能となり、今後も不整脈最新治療を提供してまいります。消化器内科循環器内科不整脈科低侵襲センター低侵襲センターでは消化器内科、循環器内科外科、不整脈科、呼吸器内科外科、脳神経外科、
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