155科・部署のあゆみ北野病院感染症科は、各診療科と連携しながら、診断・治療が困難な感染症に対する診療支援を行う部門です。実際の業務は、抗菌薬適正使用推進チーム(AST)が中心となり実施しています。開設以来、感染症科には専従医師はおらず、各診療科の医師が兼任している体制を採用しています。感染症指導医や専門医の指導の下、ASTチーム医師が、臨床検査部の協力を得て、重症感染症や薬剤耐性菌感染症の診療に積極的に取り組んでいます。特に、広域抗菌薬や抗MRSA薬を使用する症例や、治療が難しい薬剤耐性菌に対する治療方針について、カンファレンスを通じて全員で検討し、適切な抗菌薬治療を推進しています。また、2019年に出現した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しては後遺症に悩む患者さんに対応する専門外来を開設しており、関西全域から訪れる多彩な臨床症状を呈する患者さんに対して包括的なアプローチを実施してきました。今後も適切な抗菌薬使用の推進と共に、地域医療に貢献し、地域の基幹病院としての当院が果たすべき役割を全うするため、感染症診療における質の向上をめざして、引き続き尽力していきます。現況・取り組み感染症科は、各診療科の医師が兼任する体制を採用しており、これにより各診療科での主たる診療を優先した、迅速かつ柔軟な感染症診療サポートを提供しています。また、日本感染症学会認定施設として、後進の医師の育成にも積極的に取り組んでいます。さらに、マルチプレックスPCRシステムや質量分析などの最新の検査技術を導入し、精度の高い感染症診断を実現しています。多様な診療ニーズに応えながら、地域医療を支えています。感染症科
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