150科・部署のあゆみ北野病院産婦人科の歴史は古く、1928年2月の設立時より産婦人科も診療を開始しています。当初より京都大学との連携を重視しており、教授が月に2回来院し、診療科長は京都大学講師が兼任していたようです。とは言っても開院当初の産婦人科医師数は5人前後であり、諸先輩方は過酷な環境のもと診療に取り組まれてきました。終戦後、GHQによる病院接収が行われましたが、1950年11月の病院再開と同時に産婦人科も診療を再開しました。その後産婦人科の業績は飛躍的に発展し、昭和40年代(1965〜1974)には年間分娩数は1,000件、手術件数400例を超えるようになりました。その後、全国的な分娩数減少も相まって現在年間分娩数は700件前後を推移していますが、婦人科領域では積極的に機能温存手術、低侵襲手術を導入し、年間手術件数は800件前後に増加しています。また、京都大学産婦人科医局と密に連携することにより、現在20人近くの産婦人科スタッフで診療を行っています。産婦人科開設時からは考えられない環境ですが、今後一層高度な産婦人科診療のご提供と共に、働き方改革導入に伴い今後求められる「持続可能な産婦人科診療」を展開していきたいと考えています。現況・取り組み産科領域では、陣痛の痛みを軽減しつつ安全にお子様を分娩できる無痛分娩を当院麻酔科と密に連携しながら2023年より導入しております。婦人科がん治療領域では、これまで取り扱っていた妊孕性温存子宮がん治療の継続に加えて、ロボット支援手術を積極的に導入しています。また生殖医療では、近隣クリニックと連携して①妊孕能向上を目的とした適切な手術治療の提供、②妊娠後の安全な妊娠分娩管理の支援を展開しております。産婦人科
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