1481980年頃からの体腔鏡手術、ロボット支援下手術の普及、発展においても泌尿器科は先駆的な役割を果たしており、泌尿器科も手術の低侵襲化の歩みを止めないよう、日々努力と研鑽を続けていきたいと考えています。科・部署のあゆみ北野病院開院の1928年に開設された皮膚科(初代科長下村四郎先生)の一領域として、当院の泌尿器科診療は始まりました。当初は腎結核や性病の診療が主体となっていましたが、時代とともに前立腺疾患や腎不全、尿路結石など、扱う臓器、疾患は増加し、1968年に尿路精路、後腹膜臓器を扱う診療科として泌尿器科は皮膚科と分離、初代部長松尾光男先生のもと独立して診療を開始しています。従来からの感染症や尿路結石に加え、近年は排尿障害や前立腺肥大症、膀胱、腎、前立腺、精巣等の悪性腫瘍が、泌尿器科の扱う疾患として重要性を増しており、多岐にわたる臓器・領域の疾患に対し高水準かつ標準化された医療を提供することが泌尿器科の責務となっています。また泌尿器科は内視鏡手術との関連が強く、古くは1900年前後より尿道から挿入した膀胱尿道鏡を用いて膀胱内腔を観察する処置が行われていました。現況・取り組み泌尿器科では2013年よりロボット支援手術を開始し、前立腺癌、腎癌、腎盂尿管癌へと順次その適応を広げています。低侵襲手術として前立腺肥大症、尿路結石に対するレーザー内視鏡手術も年間100例前後実施しているほか、他科との横断的連携のもと、抗腫瘍化学療法、緩和医療、QOL改善をめざした排尿ケアも積極的に行っており、幅広い泌尿器科疾患に対し、質の高いきめ細かな診療を行う体制を有しています。泌尿器科
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