250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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1462021年より私が主任部長をさせていただいておりますが、金丸特任部長は、金井理絵部長とともに引き続き耳科疾患を担当し、鼓膜再生手術の応用、適応拡大、新しい治療方法の開発に尽力されています。頭頸部癌治療においては、放射線科のPET/CT装置の設置、IMRT治療の開始により、治療の選択肢を増やし、非侵襲的な内視鏡手術から集学的治療まで可能となりました。科・部署のあゆみ北野病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科は伝統的に耳科手術の症例が多く、約30年前に当時の主任部長の福島英行医師が赴任されてから、耳科手術に加え頭頸部腫瘍症例も精力的に取り組むようになりました。私(前谷俊樹)が当院に赴任させていただいたのは2008年4月でありましたが、同年に福島医師は退職されました。その後、金丸眞一医師(現・特任部長)が、主任部長として赴任され、耳科疾患を中心に症例を増やされました。以後、従来の中耳手術に加え、乳突胞巣再生、気管再生手術と最先端の医療を取り入れ、人工内耳など人工聴覚器の手術も増えました。さらに画期的な鼓膜再生療法を開発し、2019年から保険診療収載されました。現況・取り組み難聴・鼓膜再生センターが2020年に発足し、慢性中耳炎に対して非侵襲的・短時間の処置で聴力を回復する鼓膜再生療法の症例数を増やしており、多くは外来・日帰り手術で可能です。鼻副鼻腔・頭頸部腫瘍領域においては、非侵襲的な内視鏡手術を導入しています。進行頭頚部癌に対しては、放射線治療部・腫瘍内科に協力していただき、集学的治療を行っております。耳鼻咽喉科・頭頸部外科

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