250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
145/260

1432000年1月に外科の中の1部門として開設され、高見昌司副部長が診療科長として切断指の再接着手術を中心に診療を行いました。2002年7月1日より河合勝也副部長が診療科長として唇顎口蓋裂の治療を新たに始めました。2006年7月1日に鈴木義久が部長として着任し、外科から分離独立しました。科・部署のあゆみ臨床では、マイクロサージャリーによる再建外科、口唇口蓋裂・多合指症などの先天奇形を中心に診療してきました。レーザー、光治療器を用いた美容診療も開始しました。研究では、自家骨髄間質細胞を用いた脊髄損傷治療の第Ⅰ−Ⅱ相試験を関西医大救急部・ベトナムダナン病院と協力して世界に先駆けて実施(関西医大10症例、ダナン病院30症例、北野病院10症例)しました。また、アルギン酸を用いた神経再生用材料(人工神経)の開発、特許化、治験、米国での許認可作業(米国FDAで会議と書類申請)を行いました。また、鈴木義久は滋賀医科大学特任教授を兼任し、2019年4月に滋賀医科大学形成外科学講座を開設、初代形成外科長を務め、形成外科学の発展に貢献しました。今後は、美容外科手術も行う診療科として発展していくことになります。現況・取り組み皮膚腫瘍、顔面骨骨折などの外傷、リンパ浮腫、下肢静脈瘤、眼瞼下垂、顔面神経麻痺、悪性腫瘍切除後の再建、多合指症、耳介変形や唇顎口蓋裂などの先天生疾患、美容診療があります。近年は、リンパ浮腫患者に対しICG蛍光顕微鏡下にリンパ管細静脈吻合術を多数実施しています。研究では、脊髄損傷治療、末梢神経再生用人工神経の開発、磁場を利用した神経再生研究など、中枢神経末梢神経の再生に関する課題が中心です。形成外科

元のページ  ../index.html#145

このブックを見る