250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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1402019年10月に梶山が赴任して、緩和ケア科が開設されました。2021年10月には、審議機関の緩和ケア科・部署のあゆみ委員会と執行機関の緩和ケアセンターが発足して、緩和ケアの提供体制が整いました。緩和ケアは、生命を脅かす疾患に罹患した患者さん/ご家族の全人的苦痛を緩和しながら、希望の実現を支援する全人的チーム医療であり、患者さん/ご家族のQOL向上をめざしています。専門的な支持療法/ケアをチームで提供することで、各科専門医は症状緩和のための負担が軽減され、専門診療に専念できる体制を整えることができます。そのほかにもACPの支援やメンタル・サポート、エンド・オブ・ライフケア、療養場所の選択支援、地域の緩和ケア診療支援、家族ケア、遺族ケア、スタッフケア、臨床倫理的問題への対応、一般への緩和ケア啓発活動なども、緩和ケアの担当領域となります。研究面でも、症状緩和の新手法の開発やACPの普及促進に力を入れています。緩和ケア病棟の開設も期待されていたのですが、新型コロナ禍もあり未だ実現していません。「北野病院で最期まで診て欲しい」という患者さん/ご家族の切実な願いに応えるためにも、緩和ケア病棟を創設したいと考えています。現況・取り組みペインコントロールなどの身体的苦痛の緩和のみならず、公認心理師の資格を活かして抑うつや実存的苦悩に対するメンタル・サポートも行っています。リハビリやNST、がん相談支援センターなどとも緊密に連携して、全人的苦痛の緩和を行うのみならず、患者さんやご家族の希望を早期から把握して実現に向けてチームで協働することで、患者さん/ご家族のQOL向上を目指しています。院内外で、緩和ケアの教育や啓発活動も行っています。緩和ケア科

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