250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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130科・部署のあゆみ心臓疾患の中で、不整脈診療は、この20年で大きな進歩を遂げました。北野病院でも、2008年、春名徹也により、心房細動や心室性不整脈に対するカテーテルアブレーションが開始され、重症心室性不整脈への植込み型除細動器(ICD)と重症心不全患者への心臓再同期療法(CRT)手術が導入され、新たな治療選択が出来るようになりました。特殊性、専門性が高い診療内容であるため、2012年、不整脈科が開設されました。開設当時は、1人体制で、臨床工学部の協力は不可欠でしたが、その後、若い優秀な先生方(松浦朋美、佐々木建一、船迫宴福、廣瀬沙也子、関原孝之、仲宗根和孝、木村光輝、西脇修司、栗山智有:敬称略)にも支えられました。彼らは、臨床研究にも積極的に取り組み、国内外での発表等、不整脈科を研鑽の場として、羽ばたかれ、現在、それぞれの施設で不整脈専門医として活躍中であることも、不整脈科の誇りです。今後、高齢化により心臓疾患患者の不整脈合併は増加し、より難渋化します。これらに対抗するため、ハイブリッド・オペ室を利用した心臓デバイスの感染・不要リードの抜去や左心耳閉鎖術等、新たな治療を展開していく予定です。現況・取り組み当院不整脈科は、全ての不整脈疾患・病態に対応できる人材、機材を備えており、緊急対応は勿論、長期経過をたどる事が多い心臓血管疾患患者の総合的な管理において、重要な一役を担っております。具体的には、個々の治療経過で、病状に応じて、適切なタイミングで、適切な治療オプション(各種頻脈性不整脈へのアブレーション、心臓デバイス手術等)を選択し、時には、治療方針の見直し等、柔軟な対応が出来る強みがあります。不整脈科

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