250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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126科・部署のあゆみ田附興風会が創立100周年を迎えるこの記念すべき年に、病院の一員としてその喜びを共に分かち合えることを大変光栄に思います。消化器外科は、開設当初より京都大学外科学教室と密接な協力関係を築きながら、臨床・研究・教育の分野で一丸となって取り組んでまいりました。この100年間、消化器外科は技術革新と共に絶え間ない進化を遂げてきました。私が外科医として歩んできた30年を振り返るだけでも、その変革と進歩は目覚ましいものがあります。腹腔鏡手術やロボット支援手術の発展により、低侵襲性、手術の精密さが飛躍的に進歩しました。集学的治療の進歩により、これまで切除が困難とされてきた症例にも手術の機会が広がり、患者さんの予後改善に大きく寄与しています。今後の消化器外科学の未来を展望するにあたり、個別化医療とAI技術の応用が極めて重要な要素となると思います。遺伝子情報やビッグデータを活用した個別化治療は、患者さん一人ひとりに最適な治療法を提供する可能性を秘めており、AIは診断の精度向上や手術支援の分野で不可欠な役割を果たすでしょう。私たちは今後も最先端の医療技術を活用し、患者さん中心のケアを提供し続けることに全力を尽くしてまいります。現況・取り組み消化器内科や放射線科、腫瘍内科と緊密に連携し、科学的根拠に基づく最善の治療を提供するとともに、医学研究所としての当院の特色を最大限に活用した最新の外科的治療の追究にも力を入れています。患者さんの術後の疼痛軽減やQOLの向上を目指し、低侵襲な腹腔鏡手術やロボット支援手術を積極的に導入し、「体と心にやさしい外科治療」の実現を目指してスタッフ一同日々努力を重ねています。消化器外科

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