124科・部署のあゆみ「胸部外科」は1968年に佐藤堯先生を初代部長として開設されました。以降、倉田昌彦先生、瀧俊彦先生、黄政龍先生が部長として率いられ、2024年より大角明宏が主任部長として着任し、現在に至っております。胸部外科は当初、呼吸器外科に加えて乳腺外科診療も行っておりましたが、2006年に「呼吸器外科」と「乳腺外科」に分科されました。呼吸器外科は肺以外に、縦隔・胸壁・横隔膜など、心臓・大血管・食道を除く胸部領域の疾患を対象としています。主に原発性肺癌に対する肺切除を行うほか、転移性肺癌も対象としています。ほとんどの手術は胸腔鏡を用いて小さな創で行っています。進行肺癌に対しては、気管支形成や血行再建、胸壁再建などを要する拡大切除にも積極的に取り組んでいます。近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など薬物療法は日進月歩で、肺癌においても例外ではありません。呼吸器外科では個々の患者さんの病状に応じて、手術のみならず、術前後に薬物や放射線治療を交えた集学的治療を行い、治療成績の向上に取り組んでいます。他にも気胸、膿胸、縦隔腫瘍など、呼吸器外科疾患の全領域に迅速に対応しています。現況・取り組み近年、外科領域全般で低侵襲手術が主流となっています。呼吸器外科では、増加傾向の小型肺癌に対して、切除範囲を縮小した肺区域切除により呼吸機能を温存しています。また、胸腔鏡やロボットを用いて小さな創で手術を行い、痛みの軽減に努めています。ほとんどの手術を胸腔鏡下に行っており、2024年よりロボット手術も開始し、症例を重ねています。合併症の少ない、体に優しい手術で、良好な長期予後を目指しています。呼吸器外科
元のページ ../index.html#126