250703_北野病院100年史_並製本_単ページ
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1231950年に再開院してから内科は「北野方式」、すなわち内科に所属する医師はさまざまな内科系疾患患者を担当し、各分野の専門家である複数の内科部長が一人の患者さんを回診し指導するという全人的な診療を目指しました。科・部署のあゆみ呼吸器内科担当の初代部長は室本仁先生(1957〜)です。次いで部長になられた藤田正憲先生(1983〜)は博覧強記の方で、多くの若手医師を指導されました。2001年に福井基成が呼吸器内科部長として着任し、新本館がオープンする頃からは、医学の進歩と専門分化の潮流には逆らえず、内科各診療科は独立性を強めていきました。しかし、未だに他の診療科との垣根は低いと思います。2007年には呼吸器内科と呼吸器外科が統合して呼吸器センターとなり、呼吸器分野でのシームレスな連携を目指しています。福井が着任時、呼吸器内科のスタッフは5人でしたが、現在は専攻医も含めると13〜15人在籍しております。年間新入院患者数も2017年には1,600人を超えました。新型コロナウイルス感染流行で、入院患者数は一旦減少しましたが、徐々に回復しつつあります。外来には大阪の近隣だけでなく、近畿一円から患者さんが受診されます。今後も長い伝統を受け継ぎ、呼吸器疾患で苦しむ患者さんの拠り所となるべく、全員が一致団結して最善の診療に取り組みたいと考えています。現況・取り組み呼吸器内科が目指すのは、常に最新の医療を適切に患者さんに届けること、多職種カンファレンスやチーム医療を通じて患者さんに近い医療を心がけること、そして常に科学者としての視点を持って診療・臨床研究にあたることです。その取り組みの中から、吸入指導ネットワークの設立、睡眠呼吸モニタリングによる慢性呼吸不全の病態解明、非結核性抗酸菌症の栄養障害や間質性肺疾患患者の環境要因の追究、喘息の分子標的治療の開発などの分野で成果が上がりつつあります。呼吸器内科

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