008この度は、公益財団法人田附興風会創立100周年、誠におめでとうございます。京都大学医学部附属病院を代表して、心よりお祝いを申し上げます。言うまでもなく、田附興風会 医学研究所北野病院は、京都大学医学研究科にとって非常に重要な基幹病院であります。それは、大阪市内における有数の症例を誇る基幹病院としてだけでなく、その成り立ちである(これに関しては、どなたかが詳細に触れられると存じますのでここでは割愛させていただきます)医学研究所として設立され、大学病院同様の研究機能を持つ特殊な病院、いわば京都大学医学部附属病院の分院的な役割を果たしている点が、他の病院とは一線を画する部分かと存じます。私自身は、北野病院で常勤医として勤務した経験はございませんが、いくつかのご縁で結びついている関係の深い病院でもあります。北野病院との初めての出会いは、私が5回生のころ、夏休み中に北野病院を病院見学にお邪魔して、2週間の見学をさせていただいたことに始まります。当時の北野病院は古い建物の繋ぎ合わせで目的の病棟に行くのも難渋したことを記憶しております。その後、当科の大先輩の髙月清先生の病院長時代に現在の建物に改築され、さらには、■村長久病院長の時代に新館が建築され現在に至っております。また、当科の先代教授の内山卓先生が定年退官後病院長を務め、さまざまな改革を行ったと伺っております。不幸にも、内山先生が私の教授着任後7日目に北野病院在職中に逝去されたことは、未だに深い悲しみの記憶を呼び起こします。その際には、北野病院と当科にて合同のお別れ会を開催させていただきました。さらに、藤井信吾院長の時代には、血液内科の顧問としてカンファレンスに参加して症例検討を行っておりました。このように、代々の病院長の時代にお世話になった経緯があり、その100周年記念誌に京都大学医学部附属病院長として、寄稿させていただくのも感慨深いものがございます。現在は、稲垣暢也理事長、秦大資病院長のもと、この困難な時代を未来に向けてさらなる発展を続けておられることに深く敬意を表します。最後になりますが、さらなる100年に向けて、北野病院のますますのご発展を祈念して、100周年のお祝いの言葉とさせていただきます。京都大学医学部附属病院 病院長京都大学医学研究科 教授髙折 晃史北野病院100周年に寄せて
元のページ ../index.html#10