前立腺肥大症に対するグリーンレーザー治療、身体への負担の少ない、新しい前立腺肥大症手術です。
当院泌尿器科では前立腺肥大症に対する手術装置として、2016年10月にグリーンライトレーザーを用いた最新手術装置:AMG GreenLight HPSを導入しました。前立腺肥大症の手術は従来、尿道から挿入した内視鏡で前立腺を電気メスで削る、という方法で行われていましたが、手術中や術後の出血が多く、高齢の患者様にはやや負担の多い手術となっていました。グリーンライトレーザーによる治療はこれらの合併症の危険を大幅に減らし、より早い術後の回復をもたらします。
内視鏡を用いて尿道から小さな光ファイバーを通して手術を行います。光ファイバーから高出力のグリーンライトレーザーを前立腺に照射すると前立腺の組織は瞬時に蒸発(蒸散)し、同時に出血し難い凝固層を形成します。この操作を繰り返し、前立腺内に尿が流れる空間を確保します。
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従来の切除による治療と比較すると、グリーンライトレーザーによる蒸散手術は、手術後の出血や輸血、尿道狭窄(狭くなる状態)などの合併症が少なくなることが示されています。
出血が少ない事から、手術後尿道に管(カテーテル)を留置する期間も短くなり(1~2日)、入院日数も短くなることが期待されます。
多くの患者様で、排尿状態は手術後すぐに改善します。治療効果は従来の切除による手術と同等であり、5年間以上良好な効果が維持されます。
グリーンライトレーザーを用いた蒸散手術は手術の負担が少なく、従来の前立腺肥大症手術が難しかった患者様にも実施できるチャンスがあります。お気軽にご相談下さい。