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   平成22年度年報 (pdfファイル)


 2001年9月の新病院開院と共にMEセンターが設立され、医療機器の中央管理をメインに活動してまいりましたが、スタッフである臨床工学技士の所属は各診療科に分散しており、組織としてはまだ未完成でした。2005年4月1日より、MEセンターは『臨床工学部』として生まれ変わりました。臨床工学技士は全員臨床工学部配属となり、各診療科の業務を相互に補完できるような体制をつくっていくと共に、医療機器管理のさらなる効率化をめざしていきます。

 現在は人員も増え更にMEセンター室の部屋も広くなり、部長(医師)1人 臨床工学技士11人 電気工事士技術員2人ので、構成しています。部長は、泌尿器科部長と兼務し、臨床工学技士は(血液浄化部門に4人、手術部・心臓センター部門に5人、呼吸・NICU部門に2人、ME部門に、技術員が2人)各部署に配属され業務しています。

MEセンター部門

 ME部門は、現在機器管理業務としまして2人常駐しています。 具体的な業務としては、院内の医療機器の定期メンテナンス・修理・貸出・返却ですが、機器選定・購入から点検・修理・廃棄までを、専用データベースソフトに入力し、コンピュータによる一括管理を行っています。病院機能評価で機器の全数管理を要求されているのもあり、院内を再調査し現在臨床工学部で登録している機器は、約2324台です。
 また、患者様に安全かつ正確に使用できるようにメンテナンスし、いつも清潔な状態で貸し出せる様スタッフ一同努力しています。さらに、機器の急なトラブル発生時にも院内スタッフ(医師・看護師)と業者の間に立ち、敏速な対応を心がけています。
 貸し出し業務で扱う医療機器は、輸液ポンプ・シリンジポンプ・ベットサイドモニター・セントラルモニター・人工呼吸器・伴う回路・消耗品・へパフィルター・肺塞栓予防用空気圧式機器・褥瘡予防用エアーマット・パルスオキシメーター・ヘモクロン・超音波式ネブライザー・吸引機・体動感知式ナースコール・など約20品目約502台です。この台数は、当初MEセンターを立ち上げた2001年度は、貸出機器が50台にも満たなかったのですが、年数を重ねる度、中央管理を各部署にお願いし、病棟保管からMEに保管するように交渉した台数です。また機器の返却時には、2次感染防止の為、機器の清掃・消毒を徹底的に行っています。機器の故障などの時は、メーカーが行っているメンテナンス講習を受け定期点検、修理、部品交換を行い対応しています。あと機器の保管時には、バッテリー内臓の機器は常用電源に接続し満充電状態で貸し出せるよう心掛けています。緊急性の高い医療機器に関わらず、医療機器以外でも治療や予防の妨げにならないようメーカーが来るまでに応急修理を行っています。 また、病棟での臨床中での、機器のトラブル発生時には、呼吸部門の臨床工学技士と連携をとり速やかな対応を行っています。


2008年度の業務実績は、貸出返却回数5995回 【院内での定期点検件数132件 機器の点検修理 260件 病棟に出張修理165件】 業者に修理出77件でした。

 


管理ソフト

鴻池メディカルの管理ソフトを使用し修理履歴・貸出履歴・点検履歴・他データーをバーコードで管理を行っています。


バーコード管理

管理ソフトで登録後に機器本体にバーコードを印字したシールを貼り管理しています。


機器貸出用棚

充電が必要な機器は電源コードが絡まないように棚を加工し1台毎にコンセントを設置し、見た目にも美しく保管しています。


輸液ポンプテスター

輸液ポンプ・シリンジポンプなどの流量、閉塞圧、などの点検するのに欠かせないテスターを購入し安全な機器を維持し、且業者の点検依頼を無くしコストダウンを図っています。


バネコール

指でナースコールを押せない患者様の為、北野病院では、約15年前から既存のナースコールにリミットスイッチを増設して製作しています。新病院になってナースコールの機種が変わると共に改良し、院内では『バネコール』と呼ばれ、色々な使用方法があり重宝され可動率も非常に高いです。
また他病院からも問い合わせが
数回程度ありました。
断線修理や点検など定期的に行っています。

 


手術・循環器部門

 近年、高度医療において医療機器は欠かせないものとなり、病院ではいたるところで医療機器が使用されています。我々手術・循環器部門の臨床工学技士はカテーテル検査室や手術室での医療機器の操作及び保守管理を行うことで、日々円滑に診断や治療が行えるよう奮励しています。
 当部門では現在5名の臨床工学技士がローテーション制の下、中央手術部と心臓センターの2部門を担当しています。また、夜間や休日においても24時間365日オンコール体制により緊急心臓カテーテル治療や緊急心臓手術に迅速に対応しています。

心臓センター領域

 心臓センター領域での業務内容は心臓カテーテル室業務を始めとして、ペースメーカやカテーテルアブレーションなどの不整脈関連業務、IABP・PCPSの補助循環業務、心臓血管外科手術時の人工心肺業務など多岐にわたります。

◆心臓カテーテル室業務
心臓カテーテル室では様々な循環器疾患に対する検査や治療が行われています。
ここでは生体情報モニターやアンギオ装置、三次元マッピング装置などの操作を担当し、冠動脈造影や冠動脈インターベンションを始めとしたあらゆる検査、治療のサポートをしています。さらに、重症心不全例に対して使用されるIABPやPCPSといった補助循環装置の準備や運転も大切な役割となます。特に、PCPS作動中は24時間体制でこのシステムの管理を行います。今後は小児心臓カテーテル検査・治療また大動脈ステントグラフト挿入術も予定されており、これらの領域についても対応していきます。


◆ペースメーカ業務
ペースメーカやICD、CRT-Dなどの植込み時にデバイスが適切に作動するよう、PSAと呼ばれる機器やプログラマーを操作し、リードの留置状態のチェックや本体の設定を行います。また、術後においても作動状況を確認するため、病棟や外来で定期的にチェックを行っています。

◆人工心肺業務
 心臓や大動脈の手術の一部は、心臓を停止させた状態で行わなければなりません。したがって、この間の心臓と肺の機能は人工心肺装置に委ねられることになります。
 人工心肺を使用する手術時には3人の臨床工学技士が立会い、人工心肺装置や心筋保護液供給装置の操作を始め、自己血回収装置やフローメータ、除細動器などの周辺機器の操作を行っています。

中央手術部領域

 手術室では術式に応じて多種多様の医療機器が使用され、それらのトラブルは手術の進行に重大な影響を与えます。我々は患者様が安心して手術を受けられるよう、常に機器の保守管理を実施し手術中に生じた機器の不具合に対しても迅速に対応しています。特に、最近の傾向として各科において内視鏡を用いた低侵襲手術顕微鏡を用いた手術症例が多く行われ、それらの装置や関連機器についても安全に使用できるよう努めております。
 そのほか、輸血量軽減を目的とした自己血回収装置の運転やPCAポンプ(患者疼痛調節ポンプ)の貸出しとデータ管理に関しても臨床工学技士が対応しています。

脳神経血管内治療領域

 まだ全国的に脳血管内治療領域への臨床工学技士の業務支援を実施している施設は数少ないと思いますが、当院では2008年1月より脳血管内治療での診療支援業務をおこなっています。
 実際の脳血管内治療における臨床工学技士の関わりとしては、脳神経外科医と連携して頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(いわゆる“CAS”)での治療時における血管内エコーの操作と計測、また未破裂脳動脈瘤などに対して実施されるコイル塞栓術において使用される電気離断型コイルでの専用パワーサプライの準備と操作がおもな業務となります。

血液浄化センター部門

 当院の血液浄化センターにはベッド数30床+個室1床があり、月・水・金は2クール、火・木・土は1クールで稼動しています。現在、約70名の外来通院患者様に加え、検査や手術により入院の必要な患者様が血液透析治療されています。また、腹膜透析をされている患者様もおられ、なかには血液透析と併用している方もいらっしゃいます。当院では事前にシャントの作成手術をされ、透析導入される患者様がいらっしゃるのも特徴です。
 業務内容は透析機材の準備、透析液の作成、プライミング、穿刺、透析中の患者モニターの監視、返血などの臨床業務をはじめ、安全に患者様に透析を受けていただくために血液浄化装置の定期点検・オーバーホールなどの機器管理や透析液の水質管理をおこなっています。
安全に血液浄化療法をおこなえるよう、地域の中核病院として災害時にも対応できるよう、災害対策もしています。例を挙げると、患者様周辺の安全を講じて地震の揺れに患者監視装置が倒れないようにキャスターのロックをOFFにし、給排液のホースの長さも適当にとっています。

患者様周辺の安全対策

◆患者監視装置の転倒防止策




2008年に施行した血液浄化療法、のべ件数
項目 詳細
血液透析 外来 9206件
  入院 3024件
  ICU 256件 (血漿交換併用10件)
  CCU 78件 (血漿交換併用2件)
  SCU 2件 
  一般病棟 2件
  小児科 30件(血漿交換併用1件)
血漿交換 単純血漿交換 99件(血液透析併用26件)
  新生児に対し3件 小児に対し3件施行
LDL吸着 31件 (血液透析併用14件)
血球成分吸着療法 GCAP 215件 、LCAP 20件 、エンドトキシン吸着療法 4件
末梢血幹細胞採取 15件
腹水濾過濃縮再静中法 30件


血液浄化センターでは、血液透析の他に血漿交換療法(単純血漿交換、免疫吸着療法)やLDL吸着療法、血液吸着療法(GCAP,LCAP、エンドトキシン吸着など)、末梢血幹細胞採取などもおこなっています。また難治性腹水に対して、腹水濾過濃縮再静注法も行っています。血液浄化センター以外にも、手術後や心疾患などを合併した重症患者様に対して、ICUやCCUでの血液透析や血漿交換をはじめ、小児患者様の血液透析や血漿交換も病棟にておこなっています。また緊急を要する症例には24時間体制で対応しています。

呼吸管理支援部門

 人工呼吸器関連事故は直接生死につながることが多く、人工呼吸器の安全性の向上は重要な課題といえます。呼吸管理支援部門は人工呼吸器の安全性を向上するべく、2008年6月に設置されました。当部門は病棟・新生児集中治療室・集中治療室・救急救命室・救急車内などを担当領域とし、人工呼吸器の病棟巡回点検・使用後の保守点検だけでなく、臨床使用中機器の故障・不具合の即時対応、管理マニュアルの作成・院内講習会などを実施し、医師・看護師が治療・看護に専念できる環境作りを目指し、安全な医療を患者様に提供できるよう努力しております。
 [呼吸管理支援部門主任 石橋 孝臣]

◆新生児集中治療室(NICU)
 NICUは2007年秋より病床数を6床から9床に増床、さらにドクターカーも整備され、他院からの新生児搬送や極低出生体重児の入院が増加しています。臨床工学部は2008年の6月頃よりNICUに携るようになり、新生児の治療に必要な医療機器の点検・整備を行っています。新生児に使用する医療機器は、成人に使用する医療機器に比べ、より精密な管理が必要になります。主に新生児用人工呼吸器、閉鎖式・開放式保育器、経皮ガスモニター、血液ガス分析装置などの医療機器を安全かつ正確に使用できるように業務に取り組んでいます。NICUに携るようになりまだ1年弱ですが、より安全な環境を提供していける様努力しております。
[NICU領域リーダー 片山 亜希子]

◆集中治療室(ICU)
 ICUでは大きな手術を受けた患者様、救急外来からの重症患者様、集中治療が必要な患者様がおられます。集中治療には人工呼吸器や輸液ポンプ、シリンジポンプなどの医療機器が必要となります。臨床工学技士は生命維持管理装置である人工呼吸器のメンテナンスを行い、患者様に安全に使用できるように管理していきます。将来的には医師・看護師と共に、集中治療チームに加わり、一人でも多くの重症患者を救命できるよう頑張ります。
[ICU領域リーダー 佐藤 元彦]

◆病棟呼吸業務
 北野病院ではサーボIー15台・ベネット7200−5台・LTV1000−3台など、合計39台の人工呼吸器を所有しており、これら人工呼吸器の安全性を向上するべく病棟巡回点検・使用後の保守点検などを実施しております。
[病棟呼吸業務領域リーダー 祖開 裕子]


呼吸管理支援部門スタッフ 
(主任) 石橋 孝臣   (ローテーター) 辻 宣樹・片山 亜希子・祖開 裕子・佐藤 元彦

スタッフ紹介


役職 氏名 資格等  
部 長

金丸 洋史
日本泌尿器科学会専門医・指導医
ボーティングメンバー
国際泌尿器科学会会員
日本癌治療学会会員
日本Endourology-ESWL(EE)学会会員
日本内視鏡外科学会会員
日本内視鏡外科学会技術認定医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
京都大学医学部臨床教授
関西医科大学臨床教授
泌尿器科兼務
係 長
医療機器安全
管理責任者
深澤 晃
臨床工学技士
透析技術認定士
アフェレーシス技術認定士
血液浄化センター担当
主 任
石橋 孝臣
臨床工学技士
Ophthalmic Medicai assistant
呼吸管理担当
主 任
中島 準仁
臨床工学技士
体外循環技術認定士
第2種ME技術認定士
中央手術部兼
心臓センター担当
主 任
横瀬 哲朗
第2種電気工事士
第2種冷凍高圧カガス製造保安責任者
医療用具修理業責任技術者
ME機器管理担当
 
平山 善広
第2種電気工事士
第3種冷凍高圧カガス製造保安責任者
ME機器管理担当
 
馬場 隆行
臨床工学技士
臨床ME専門認定士
透析技術認定士
3学会合同呼吸療法認定士
ペースメーカ関連検定合格
ローテーション
 
辻 宣樹
臨床工学技士
第2種ME技術認定士
透析技術認定士
ローテーション
 
片山 亜希子
臨床工学技士
臨床検査技師
第2種ME技術認定士
ローテーション
 
祖開 裕子
臨床工学技士
第2種ME技術認定士
透析技術認定士
ローテーション
 
宮崎 晋一
臨床工学技士
第2種ME技術認定士
ローテーション
 
河合 俊明
臨床工学技士
第2種ME技術認定士
ローテーション
 
西橋 悠
臨床工学技士
臨床検査技師
第2種ME技術認定士
ローテーション
 
藤井 雅基
臨床工学技士
臨床検査技師
第2種ME技術認定士
ローテーション
 
清家 崇之
臨床工学技士
第2種ME技術認定士
ローテーション

Last up date 2012.3.10.