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    平成22年度年報 (pdfファイル)


展望

 血液悪性腫瘍の罹患率は社会の高齢化に伴い、年々増加しています。北野病院の血液内科では充実した施設や診療を通じて、全ての血液疾患に対応し、同種造血幹細胞移植を含めた治療をご提供しています。それぞれの患者様にとって最良の治療を、安心してお受け頂けるよう、医療者一同、努力いたします。

特徴

 
 対象疾患
■ 血液悪性腫瘍(急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群など)
■ 血球数異常を起こす疾患(各種の貧血、多血症、本態性血小板増多症など)
■ 出血傾向を招く疾患(血小板減少性紫斑病、血友病など)
■ 非感染性にリンパ節腫大をおこす疾患(キャッスルマン病、菊池病など)

 血液は身近なようで、どこで何をしているのか実感が湧きにくい臓器です。しかし身体全体に拡がっていて、全てをあわせれば他のどの臓器よりも大量になるかもしれません。その疾患には、腫瘍、数的異常、機能異常、自己免疫疾患、先天性疾患、感染症などがありますが、入院される多くの方は血液悪性腫瘍にあたります。

  血液悪性腫瘍だけを手術で切除することは、全身を巡るという血液の性質上、困難です。しかし、抗癌剤や放射線治療が、他の腫瘍よりずっと良く効くという特徴があります。内科的治療で完全治癒が期待出来る方がたくさんおられます。年齢制限はありますが、造血幹細胞移植ならば血液系の総取り替えも可能です。ただ、手術などに比較して治療期間が長くかかるので、患者様ご本人の頑張りとご家族のサポートをお願いすることがしばしばです。一緒に病気を治してゆきましょう。

  さらに北野病院は医学研究所を併設しているのが特徴です。「患者さんに問題点を見つけ、それを解決するために研究心をもって活動する」というのが、成人T細胞白血病を初めて記載された高月清先生(前北野病院院長(現理事))が常々提唱されている医学臨床研究ですが、現在もこのスタイルを踏襲して、臨床研究を実行しています。

 

治療について

 血液悪性腫瘍に対しては、抗癌剤や、放射線による治療が主となります。抗癌剤はその方の疾患にもっとも適合した薬剤をもちいます。当科で日常的に使う抗癌剤は飲み薬、点滴をあわせると30〜40種類にもなります。副作用が強い薬はこのうちの一部で、吐き気などの副作用を抑える効果的な薬も存在しています。どの薬の組み合わせが、最も副作用が少なくかつ効果があるのか、当科では日々更新される最新のエビデンスに基づいた、最良の治療法をご本人に推薦します。それを含めたさまざまな治療法のうち、どれを選択するかは、最終的には患者様の自由な意思にお任せすることがほとんどです。

  抗癌剤以外にも、分化誘導療法、分子標的療法、単クローン抗体を用いたミサイル療法など、さまざまな最新の治療法が可能となっており、病気の完治を目指します。抗癌剤の超大量投与を伴う自己末梢血幹細胞移植術や、一種の免疫療法でもある同種造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植など)もご提供しています。治療期間中で、白血球数が極端に減って抵抗力の落ちた期間は、クリーンルームに入って頂きます。

クリーンルーム

 クリーンルームは、治療により白血球数が減少し抵抗力が低下すると考えられる患者様に入って頂く病室です。白血球数が減少すると、人や空気などを介して細菌、真菌(カビ類)、ウイルスなどの病原体に感染しやすく、また感染した場合重症になることがありますので、本来の病気の治療上感染症を予防することが非常に大切です。クリーンルームに設置してあるアイソレーターという機械からは細菌や真菌をろ過したきれいな空気が流れてきます。このお部屋での治療中は原則として室外に出ることは出来ませんので、多少のご不便や不自由があると思います。しかし、抵抗力が落ちている期間は、安全且つ有効な治療を受けて頂くために、清潔な環境で入院生活を送って頂くことが不可欠であることをご理解下さい。

 北野病院には計15床のクリーンルームがあります。このうちの9床は個室で、残りは3床ずつの大部屋になっています。


*日本血液学会認定研修施設 

外来診療体制


血液内科外来(一般も含む)

 
月曜
火曜
水曜
木曜
金曜
土曜
午前
有馬
福永
稲野
柳田
有馬
交代
午後
有馬
福永
有馬
吉永
有馬
  

主な基礎疾患について (各項目をクリックして下さい)


1)白血病 2)悪性リンパ腫 3)多発性骨髄腫 4)再生不良性貧血
5)特発性血小板減少性紫斑病 6)リンパ節腫脹  

北野臨床血液セミナーの開催

血液内科では臨床血液学の更なる研鑽のため、北野臨床血液セミナーを平成14年1月より年2回開催しています。対象は医療関係者ですが、毎回、活発な討論がなされています。臨床血液学に興味のある方々のご参加をお待ちしています。    
  

第23回  
日時
平成23年11月25日(金) 18:15〜20:00
場所
北野病院 5階 きたのホール
特別講演
座長:北野病院 血液内科  有馬 靖佳
「血液疾患の患者のための社会的支援(仮)」
 愛媛病院 地域医療連携室 難病・地域連携コーディネーター 医療ソーシャルワーカー
 四国がんセンター がん医療連携・研修センター 地域医療アドバイザー
 愛媛県難病医療連絡協議会 難病コーディネーター
  生駒 真由美 先生
「化学療法及び造血幹細胞移植に伴う性と生殖に関する支援」
 昭和大学医学部 乳腺外科 渡邊 知映 先生
 
ポスター
 

 

前回までの内容はこちらからご覧下さい。

スタッフ紹介

役職 氏名 資格等 専門領域
部長

有馬 靖佳
日本内科学会認定医・指導医
日本血液学会専門医・指導医
日本血液学会代議員
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
医学博士
京都大学医学部臨床教授
産業医
臨床血液学
造血幹細胞移植
副部長

柳田 宗之
京都大学医学博士
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
日本がん治療認定医機構認定医
臨床血液学
副部長

福永 明子
京都大学医学博士
日本内科学会認定医
日本血液学会専門医
産業医

<研究内容>
同種移植後患者末梢血におけるCD4+ T細胞上のCD27発現の役割について
血液内科
医員

末木 佑季
日本内科学会認定医 血液内科
シニアレジデント
医師

稲野将二郎
   
シニアレジデント
医師

岩本 芳浩
   

(Last update 2012.4.12).