公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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治療について(眼科)

白内障

当科は、白内障手術における眼内レンズ移植を、日本でいち早く始めた施設であり、現在年間約1,800件(2020年 1,400件)の白内障手術を実施しています。薄暮時の視機能の良好な「非球面眼内レンズ」や乱視を軽減できる「トーリック眼内レンズ」をはじめとして10種類以上の眼内レンズを常備、症例毎に最適な眼内レンズを選択、使用しています。2018年度9月からは多焦点眼内レンズを導入しております。また白内障手術機械としては最新のcenturionを使用し、術中屈折解析装置ORAやイメージングガイドシステムVERIONを用いて白内障手術後の眼内レンズ度数ずれを極力少なくするよう努力しております。その他チン氏帯脆弱な難易度の高い白内障にも対応しており、通常の眼内レンズ縫着術に加えて、嚢内レンズ縫着、強膜内固定術(2020年 計61件)も施行しております。

緑内障

最先端の診断機器と高度の熟練による高い診断技術、ならびに高い治療実績を有しており、年間100件以上(2020年 147件)の緑内障手術を実施しています。初期の症例から末期の症例にまで対応できるように各種術式(線維柱帯切開術、濾過手術、隅角癒着解離術、各種インプラント手術)施行しております。特に線維柱帯切開術に関してはマイクロフックを用いて小切開創から手術を施行、術後早期回復をめざしております。その他istent、Express等の緑内障手術deviceも採用しています。2019年3月からは難治性緑内障に対するバルベルトチューブシャントを導入いたしました。手術を御希望でない方には選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)も数多く施行しております。また特に日本人に多く診断が困難である高度近視眼における緑内障診断にも力をいれております。

網膜硝子体疾患(surgical)

高い診断技術と治療実績を有し、2020年には298件の手術を実施しました。対象疾患として黄斑前膜、黄斑円孔、硝子体出血、糖尿病網膜症、網膜剥離等ありますが、特に網膜剥離に関しては年間76件(2020年)の手術実績があります。硝子体手術は基本的に25Gシステムを採用、広角観察システムを用いた小切開硝子体手術で行っておりますが2019年3月からは眼内内視鏡を取り入れた硝子体手術も導入し、特に難治性の増殖硝子体網膜症 増殖糖尿病網膜症も積極的に手術しております。また難治性黄斑円孔にはILM translocation術で対応、良好な手術成績を治めております。

網膜硝子体疾患(medical)

黄斑疾患の診断・治療では、京都大学眼科学教室との連携により黄斑外来を開設し、黄斑部の変性疾患、難治性疾患の患者様に、的確な診断と最新の知見に基づいた治療(抗VEGF療法、光線力学的療法など)を提供いたしております。また炎症性疾患であるぶどう膜炎につきましても月1回葡萄膜外来を設け、葡萄膜炎専門医による診断、治療方針決定を行っております。その他、中途失明の方のために、ロービジョンケア専門外来を設け、社会生活の維持のためのお手伝いをいたしております。