公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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病理診断科

病理診断科について

 

ご挨拶

病理診断科は2008年から標榜科として認められた診療科です。具体的な業務内容は患者様から提出して頂いた喀痰や尿、穿刺材料等の細胞像から腫瘍の有無を診断したり(細胞診)、胃カメラや気管支鏡等で採取された組織で炎症の種類や腫瘍の有無、腫瘍とすれば、良性のものか、悪性のものかについて診断したり(組織診)しています。直接患者様と顔をあわすことはありませんが、主治医を通じて、皆様のお役に立てるよう日々努めています。
手術に際しては、胸水、腹水に腫瘍がひろがっていないか細胞像を検討して主治医に報告したり(術中迅速細胞診)、手術できちんと目標とする病変が切除できているか確認したり、切除範囲が適正かを見たり(術中迅速組織診)しています。術後は提出された検体を調べて、病変の拡がり、進行度、悪性度等を主治医に伝えて、今後の治療を円滑に進められるようにしています。
不幸にして、患者様が亡くなられた際には御遺族の同意のもと、病理解剖により、診断が正しかったのか、治療が適切だったのかなどの検証を行って、当該の患者様の御遺族への情報提供とともに未来の患者様に少しでも有益な情報を届けられるように努力しています。診療科に偏りがなく、年間に組織診約10000件、細胞診約14000件を診断し、腫瘍から炎症性疾患まで幅広い疾患を取り扱っており、病理診断に関するオールラウンドプレーヤーを目指しています。

特色・取り組み

当科も他の診療科と同じく、京都大学医学部と緊密な連携をとっており、病理医はすべて京都大学医学部病理診断科から派遣されています。研修医についても京都大学医学部病理専門研修プログラムに所属した医師です。病理診断は形態診断ですが、現代の病理診断では、免疫染色による分化方向や形質発現の確定が必須となっています。当科でも免疫染色のための抗体を約120種類備えて、必要に応じて、診断に用いていますが、近年の診断病理の進歩により、新しい抗体が続々と発売され、市中病院ですべてを保有することは困難です。当科でカバーしきれないものに関しては京都大学医学部病理診断科に染色をお願いすることで、診断に支障が出ないように対応しています。

診断に関しては最終診断は必ず病理専門医が確認し、一定数は2名によるdouble checkを行い、診断水準の維持に努めています。診断困難例は日本病理学会のコンサルテーションシステムや懇意にしている当該分野のエキスパートにコンサルトをすることにより、質の高い診断を心がけています。

病理診断について

業務実績(治療実績・学会/著作/研究活動 等)

  • 2022年度年報
  • (※)2012年9月より、科名が「臨床病理部」から「病理診断科」に変更となりました。