<1> 一般目標
血液疾患は多彩だが、特に貧血、血小板減少、白血球減少は普遍的に体験しやすい病態であり、適切な診断と処置が重要である。適切に輸血療法を行えるようになる必要がある。血液内科の入院患者には、化学療法を受けている悪性腫瘍が多く、抗癌剤の適切な投与法を学ぶことが要求される。治療計画はエビデンスに基づいたものでなければならない。同時に患者や家族に対する接し方を学ぶ。
<2>行動目標
指導医から学ぶだけでなく、積極的に自ら診療に携わる熱意が期待される。グループ診療の一員として、他科への適切なコンサルテーション、コ・メディカルとの協調、紹介状や紹介状への返信作成などを期待される。抗癌剤の投与機会や、易感染患者の診療などを通じて、リスクマネジメントや院内感染対策の概念を習熟する。
<3>経験、修得すべき事項
a.経験すべき頻度の高い症状
リンパ節腫脹、発疹、発熱、動悸、呼吸困難、鼻出血、咳・痰、腹痛、嘔気、便通異常、腰痛、体重減少、不眠、不安・抑うつなど
b.緊急を要する症状、病態
ショック、意識障害、大量出血
c. 経験すべき疾患、病態
各種貧血(鉄欠乏性、再生不良性、悪性、溶血性、二次性等)、白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、血小板減少症、凝固異常、血栓性疾患、DIC、感染症(ウイルス、細菌、真菌)、不明熱、後天性免疫不全症
<4>習得すべき知識、検査
1)貧血の鑑別診断
2)末梢血液像の見方
3) 骨髄塗抹標本、骨髄組織像の見方
4) リンパ節生検における特殊検査とその意味
5) 出血・凝固異常の鑑別診断
6)造血器腫瘍性疾患の鑑別診断
7)血清蛋白異常症の鑑別診断
8)血液疾患に関する画像診断(胸腹部CT、MRI、シンチグラム、PET等)
9) 病型分類(表面マーカーによる診断、DNA 診断、染色体分析、リンパ節の病理組織像など)
10) 抗腫瘍剤の作用機序と副作用
11) 造血幹細胞移植に関する知識
<5>習得すべき検査および治療手技
1)末梢血および骨髄塗沫標本の作製
2) 骨髄穿刺・生検
3) 腰椎穿刺、胸腔・腹腔穿刺
4) 鎖骨下静脈穿刺
<6>習得すべき治療法
A.意義を理解し、自らもその一部〜全部を実施するもの
1)各種貧血の治療
2)成分輸血療法 自己血輸血
3)瀉血療法
4)免疫抑制療法 ステロイド療法(経口、パルス)
5)各種造血器腫瘍の化学療法
6)compromised host における感染症の治療、無菌室での治療
7)DIC の治療
8)サイトカイン療法
9)抗体療法 分子標的療法
10) 末梢血幹細胞採取、骨髄移植採取
11) 末梢血幹細胞凍結保存
12) 造血幹細胞移植(末梢血、骨髄、臍帯血)
B.意義を理解し、適応を判断できるもの
1) 悪性リンパ腫、骨髄腫等の放射線療法
2) 血漿交換療法
C.治癒を断念したQOL療法
D.ターミナルケア
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